

スターって一体どんな本を読んでいるの?謎・・という人の為に、スターのおすすめ本を紹介します。
<<2007年1月 | 2007年2月のイチオシ!

著者:恩田陸
第2回 本屋大賞受賞
第26回 吉川英治文学新人賞受賞
第129回 直木賞受賞作品)
この本を読んでいる間、人と人とのつながりを感じずにはいられない空間がそこには広がっていて、何か柔らかいものが自分の体の周りに満ち満ちているような…そんな感覚。
社会人が使う「人とのつながりが…」とはまったく違うニュアンス。
その時その空間にだけ満ちている青春の匂い。そこにいる人にしか決して共有し得ない情景。
そこに垣間見られる心の煌き。そんな純真さを取り戻してくれるような話でした。
この本のタイトルになっている夜のピクニックとは、朝から歩き始めて次の日の朝まで歩くという高校生活最後のイベントです。仲の良かった友達と歩く者、この時間を利用して好きな人に告白を企む者、自分自身に小さな賭けをする者、それぞれが想い想いの人と一緒に歩きこの高校生活最後の時間を共有します。
話の主人公となる融と貴子の関係を巡って話は展開していきますが、その周りで繰り広げられる人間模様はどれもきらきらしていて、その眼に映す世界はとても小さくてどれももどかしい物ばかりです。
自分の中では中学時代とシンクロしてましたね。今まで共に過ごして来た時間があるからこそ、この歩行際がかけがえのない空間に変わる。歩くのを楽しみにしていた転校していった女の子の手紙の中にあった「飛び入りの参加じゃつまんないし、余計淋しい」という言葉がこの時期特有の空気感をものすごく感じさせてくれました。
こうして高校を卒業していく者には大学へと進学していく者、やりたいことが見付かり専門学校へ行く者、そのまま社会へと巣立って行く者、様々です。
しかし、どのような道を歩んで行くにしろ、これからの人生においてこういったきらきらした思い出を持っている人は少なからず人に優しくなれるような気がします。
今の自分を好きになれるような思い出がない人や、仕事や生活に不満しか無い人は、ただお酒を飲んで愚痴を言う日々を過ごすだけでなく(たまには必要)、自分の中のやりたいこと、情熱の湧いて来るものに今一度没頭してみてはいかがでしょうか?きっとそこに生きる意味というか、生きている事に感謝したくなるような幸福感を感じることができると思います。そして生きていく上で、自分にしか出来ないものを探すのはすばらしい事です。しかし、代わり栄えしない自分も愛せるようになりたいものです。
これからどれだけ「一生に一度」を繰り返していくのだろう…
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